Q&A | T&N リサーシャ
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Q&A

Q1. T&N リサーシャの名前の由来は?

 T&N リサーシャは、本来の正式名称がT&N 活動支援研究所(T&N Research and Support Center for Activity)で、金沢大学大学院医学系研究所保健学専攻の準教授だった精神科作業療法士の故 関 昌家によって名づけられました。しかし、正式名称だと、堅苦しい・呼びにくい・行きづらいなどの理由から英語名のResearch(リ) and Support(サ) Center(セ) for Activity(ア)から頭文字をもじって短縮した結果、「リサーシャ」となりました。T&Nは、長男と次男の名前の頭文字で、自分の遺志を継いでほしいという故人の思いが込められています。

Q2. キャラクターのデザインは?

アリンちゃん 名前は「アリンちゃん」です。アリンちゃんは「何でもアリ」の蟻です。どんな状態でも、どんなことでも良いのです。何かを始めるのに駄目なことはありません。そんな思いを込めて、アリンちゃんができました。アリンちゃんを作ってくれたのは、交通事故で障がいをもった20代の女性です。この女性は、当時勤めていた自立支援施設に通っており、自由時間にイラストを描いていました。そこで、看板のマスコットキャラクターとなる絵を描いてみないかと声を掛けたところ、快く承知してくれました。そして、香輪社からのアドバイスを受けながら、何度も描き直し、三か月掛けて完成しました。その後、この絵をきっかけに施設内での評判が良くなり、このことから自信を得て、町会の運動会のポスターや機関誌のイラストなどを描くようになりました。

Q1. なぜ、もの作りを行うのでしょうか?

 統合失調症やうつ病、躁うつ病などの精神病は、脳の働きに問題があることが考えられます。この脳の働きの問題は、最近では、MRIや脳波、光トポグラフィなどの機器によって身体を傷つけることなく、見ることが出来ます。しかし、これらの機器を何回も使用することは身体的にも金銭的にも負担が大きくなります。では、これらの機器を使用する以外に脳の働きを見るにはどうしたら良いでしょうか?私たちの身体の動きを制御しているのは、脳です。このことから、身体の動きを見ることは、脳の働きを間接的に見ることに繋がります。しかし、身体の動きを見ると言っても、色々な動きがあるので、全ての動きを見るのは難しいです。そこで、当施設では、もの作りの動きに的を絞って脳の働きの問題を見極め、カウンセリングを行います。また、もの作りでは、脳の働きの問題が作った物に現れるので、後からそれを確認することもできます。当施設では、これまでの臨床経験から評価のしやすい革細工・織物・木工を取り入れております。

Q2. もの作りを行うことでどのような変化が見られますか?

 T&N リサーシャでは、社会で生きていくためには、社会生活能力が必要と考えています。この社会生活能力には、以下のことが挙げられます。

 ・自分で考えて行動する。
 ・人に助けを求める。 
 ・間違いや失敗をやり直す。
 ・目標をやり遂げる。
 ・新たな目標に向かって取り組む。
 ・人の世話をする。


 心や体に障がいを持つと、これらのことが上手くできなくなります。しかし、もの作りには、作品が出来上がる過程において、これらを養う要素が数多くあります。そのため、もの作りを行うことで上記の社会生活能力に変化が見られます。

Q3. 日課表を書くのが面倒な場合、どうすれば良いでしょうか?

 当施設では、最初から日課表を書ける人もいれば、全く書かない・書けない人も少なくありません。書けない場合は白紙のまま提出してもらっても構いません。白紙のまま提出するのも一つの特徴として捉え、症状の改善と共に日課表も徐々に書き込まれていくようになります。

Q4. 対象者本人が通いたがらない場合、どうすれば良いでしょうか?

 本人が通いたがらない場合は本人に無理強いをせず、まずご家族がカウンセリングを受けることを提案致します。あるいは、当施設で行っているもの作りをご家族に体験して頂くことを提案する場合もあります。これらの理由として、ご家族がカウンセリングやもの作りを体験することで病気の特徴を理解して頂き、ご家族が治療者として本人と向き合う方法をアドバイスします。

Q5. 週に何回通えばいですか?

 病気の状態によっては無理が出来ないので、特に決まってはいません。週に1回の方もいれば、週に2回の方もいます。あるいは2週間に1回の方もいます。病気の状態やご本人の希望に合わせて通う回数を調節しますので、お気軽にご相談ください。

Q6. 料金が高いのでは?

 T&N リサーシャでは、統合失調症やうつ病などの精神疾患は、「遺伝子の異常」「脳の発達期における環境要因による発達障害」に起因する脳の機能障害と考えます。このことから、同じ病名でも、障害の原因や程度が人によって異なることが想定され、一人一人の状況に合わせた対応が必要であると考えます。そのため、一度に多くの方に関わることが出来ないので、料金が高くなってしまいます。

Q1. こころの病(精神病)とは?

写真  T&N リサーシャでは、統合失調症やうつ病、躁うつ病(双極性障害)などの精神病は、『遺伝子の欠損、あるいは産まれる前後(周産期前後)の脳の発達障害による脳の機能障害』と考えます。例えば、遺伝子の欠損の場合は、設計情報である遺伝子に問題があって脳が正常に形成されなかったということが考えられます。また、周産期前後の脳の発達障害の場合は、生まれる前の胎児、あるいは産まれた後の子供の間に脳が発達する時期があるので、この間に脳が正常に形成されなかったということが考えられます。この考えは、ラットやマウスを用いた動物実験に基づくので、これらのことだけが精神病の原因ではなく、人間では一般的ではないかもしれません。しかし、仮に精神病を上記のような考えに当てはめてみた場合、どのような問題があることが考えられるでしょうか?
 近年、遺伝子解析により、様々な遺伝子が精神病に関与していることが明らかになりつつあります。また、動物実験により、周産期前後のいつ・どのようなものが脳の発達を阻害するかも明らかになりつつあります。しかし、これらは実験的に統制された環境の中でのことであり、人間の場合はどのような遺伝子に問題があるのか、あるいは脳の発達が何によっていつ・どの程度の影響を受けたかは人によって個人差がある可能性があります。そのため、精神病の問題は、同じ病気でも障害の程度が個人によって異なるということです。また、病気の症状も一つではなく、複数あるので、この複雑さが病気の理解を難しくしていると言えます。
 精神病は、症状の難解さや、誰にでもあり得る特徴から、個人の人間性の問題と考えられてしまうことがあります。しかし、実際には脳の発達過程で受けた様々なストレスによって、誰しもが発病するリスクを持っている可能性があります。もし御自身、あるいはご家族に精神病の疑いを感じているのであれば、脳の機能障害なので、ご本人の人間性を責めるのではなく、医師に相談することをお勧めします。

Q2. こころの病(精神病)になるとどうなる?

写真  これまでの臨床経験の中で、精神病の状態について患者さんから共通して言われたことは、『精神病になると気力・知力・体力が損なわれる』ということです。実際、これまで見てきたほとんどの患者さんが今まで出来たことが満足にできなくなり、何かを始めてはすぐに諦めたり、物事の手順をなかなか覚えられなかったり、わずかな時間ですぐに疲れてしまったりという特徴が見られます。このことに関して、統合失調症やうつ病、躁うつ病は、発病によって脳の機能が低下することもあるのですが、いずれの病気にも鬱状態があり、この間はほとんど何も出来ないので体力が低下し、それが影響するのかもしれません。鬱状態になって何も出来ない期間は人によって異なり、場合によっては数カ月も何もしなくなってしまう患者さんもいます。また、何もしなくなるのは突然なので、周囲から当てにされなくなってしまいます。鬱状態の間は、他者との接触も嫌がるので自室や家から出たがらず、『引きこもり』になってしまいます。
写真  統合失調症や躁うつ病(双極性障害)では、ほとんど何も出来ない状態から必要以上に活動的になる場合があります。それでも、体力が低下しているので、その期間は鬱状態よりも短いです。うつ病には、躁状態はないのですが、鬱状態が改善してくると自殺願望が強くなるので、この時は注意が必要です。
 上記のように何も出来なくなる、あるいは必要以上に活動的になる、そして自殺願望が強くなるのは病気のせいだけではありません。病気の治療のために飲む薬の副作用によっても同様のことが起こり得ます。なぜなら、精神病の治療に使用する薬は我々の心(脳)を制御する化学物質に似たもので出来ているからです。薬の効果が出るまでに長期間を要する場合もありますが、薬を飲み始めてから何らかの異変を感じたら、医師に相談することをお勧めします。

Q3. 家族から見た場合、対象者はどのように映りますか?

 ・家から出ようとしない、出かけても夜しか出ない。
 ・人に会いたがらない。
 ・一人でブツブツ何か言い、時には笑っていることがある。
 ・何もせず、ごろごろ寝てばかりいる。
 ・いつも暗い表情で、泣いてばかりいる。
 ・話す内容がよくわからない。
 ・お風呂にも入るのを嫌がり、服も着替えない。
 ・窓を閉め切り、掃除もしない。

Q4. 対象者はどのようなことで悩んでいることが多いでしょうか?

 ・仕事に行きたくても自信がない。
 ・何もしたくないけれど、どうにかしたい。
 ・人と話すのが苦手でも何とかしたい。
 ・何かしたくても何していいか分からない。
 ・家から出るのが億劫、でもどうにかしたい。
 ・自分をどうしていいか分からない。
 ・孤独を感じている。
 ・助けてと言えない。
 ・生きるのに疲れてしまった。
 ・誰かに見張られているような気がする。

 Q5. どれぐらいで改善が見られますか?

 病気の種類や個人差があるので一概には言えませんが、これまで勤めてきたいずれの医療施設でも週に1回通ってきた方が大体3〜4年で、回数では144〜192回ぐらいで改善が見られました。週に通う回数を増やせば、改善に掛かる期間が短縮されるかもしれません。今後は、データ計測などを踏まえて、より客観的な数値と根拠を提示していきたいと思います。

 Q6. 病気の診断名が変わることがありますか?

 精神病は、脳の機能障害です。その脳には様々な機能が集約しているため、脳に部分的な障害があったと しても、その影響の範囲は広範になります。そのため、精神病には複数の症状があり、人によって、これらの症状の組み合わせも程度も異なります。この「精神病には複数の症状がある」ことが精神病の理解を難しくしていると考えられます。
 また、精神病の発病や他の症状の発症には、遺伝的な要因だけでなく、環境要因も含まれます。これは、脳が環境の影響を受けて変化するからです。この脳の変化は、時間がかかる場合があります。これらのことから、精神病は、環境によって、発病し、別の症状が発症するまでに時間がかかる場合があります。
 このように、精神病の診断には症状の組み合わせとその症状がどの程度続いているかが関与しているので、精神病の診断名が変わったり、診断名が決まるまでに時間がかかる場合があります。しかし、精神病の発病や他の症状の発症には環境が関わっているように、病気の改善にも環境が関わっており、当施設は様々な精神病の方に利用されていますが、対処方法は診断名に大きく左右されないと思います。