もの作り

「もの作り」を通した自己理解支援

「なぜか物事が続かない」「疲れやすく、集中できない」「周りに理解されず、孤立しがち」「良かれと思ってやったのに、また同じ失敗をしてしまった」…。もし、あなたがそんな悩みを抱えているなら、それは社会参加の過程で多くの方が直面する「4つの壁」が原因かもしれません。T&Nリサーシャの「もの作り」は、そうした壁を乗り越えるための専門的な自己理解支援です。

手順の壁とは?

指示通りに作業を進めるのが難しい、あるいは自分のやり方で進めてしまいがちな状態です。例えば、見本を確認しなかったり、自己流で進めてしまったりすることで、物事が続かなくなりがちです。

期間の壁とは?

長時間一つのことに集中するのが苦手で、すぐに疲れてしまう状態です。そのため、公的な支援には期間の定めがあるため、自分のペースでじっくり取り組むことが難しい場合があります。

理解の壁とは?

自分の得意・不得意が分からなかったり、自分の状態を客観視できなかったりする状態です。その結果、周囲に理解されにくく、孤立感につながることもあります。

再発の壁とは?

疲れやストレスのサインに気づけず、無理をして体調を崩してしまう状態です。つまり、安定した生活を続けるためには、自分自身で心身の状態を管理する能力(セルフマネジメント)が不可欠です。

自己理解を妨げる「壁」と、その原因

実は、これらの「壁」の多くは、脳の中で特定のサイクルがうまく回らないことで生じます。それは、「①まず正しいやり方を覚える」→「②次に自分の現状と比べる」→「③そして違いに気づいて行動を修正する」という課題解決サイクルです。

しかし、脳の機能的な課題があると、このサイクルが停滞してしまいます。その結果、ご本人の努力とは関係なく、同じ失敗を繰り返してしまうことがあるのです。だからこそ、このサイクルを何度も安全に練習できる『実践の場』が不可欠です。

もの作りによる自己理解支援:サイクルを回す練習

T&Nリサーシャの「もの作り」は、単なる手芸ではありません。むしろ、この課題解決サイクルを安全に、そして効果的に練習するために設計された、専門的な自己理解支援プログラムなのです。

「見本を見て手順を覚える」ことから始まり、「自分の作品と比べる」、そして「ズレや間違いに気づく」ことで、「やり方を修正する」。まず、この一連の流れを、失敗が許される安心な環境で体験します。さらに、専門スタッフのサポートを受けながら、このサイクルを何度も繰り返すことができるのです。そして、この試行錯誤のプロセスそのものが、自己理解を深め、自分をコントロールする力を養い、乗り越えるための自信を育みます。


「好き」から始める自己理解支援カリキュラム

当施設では、代表的なプログラムとして「革細工」「織物」「木工」をご用意しています。しかし、これらは単なる手芸ではありません。むしろ、「同じ手順の反復」と「新しい技術の追加」を組み合わせた専門的なカリキュラムなのです。なぜなら、課題解決サイクルを段階的に練習できるよう、意図して設計されているからです。

革細工

計画性や慎重さが求められます。そのため、衝動性のコントロールや、手順通りに作業を進める練習に適しています。

  1. 基礎:小銭入れ・眼鏡ケース・ペン皿(小)・ペン皿(大)
  2. 応用:札入れ・マチ無しセカンドバッグ・化粧ポーチ
  3. 創造:メルヘン模様眼鏡ケース or メルヘン模様札入れ・自由作品

織物

間違えても簡単にやり直せます。したがって、失敗への不安が強い方が、安心して「修正する」経験を積むのに適しています。

  1. 基礎:敷物1・敷物2・ポシェット1・ポシェット2・敷物3
  2. 応用:敷物4・敷物5・敷物6
  3. 創造:敷物7・タペストリー・自由作品

木工

立体的な構造を捉え、正確な採寸や設計が求められます。このため、空間認識能力や、より高度な計画性を養う練習に適しています。

  1. 基礎:ペン立て(小)・仕切り入りペン立て(大)・4つ仕切りペン立て・犬のペン立て・状差し(小)
  2. 応用:コースター・デスクオーガナイザー
  3. 創造:小箱・状差し(大)・自由作品

このように、簡単な作品から始めて、徐々に新しい技法を追加していきます。このプロセスによって、ご自身の「失敗への強さ」や「新しいことを覚える力」がどの程度向上したか、ご自身とスタッフが客観的に確認できるのです。


この「自己理解支援」を、体験してみませんか?

「個別体験相談(無料)」では、専門スタッフがあなたの課題を整理します。そして、どのプログラムから始めるのが最適か、ご提案します。まずはお気軽にお話をお聞かせください。