2016年度長町会館文化祭 | T&N リサーシャ
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2016年度長町会館文化祭

2016年度長町会館文化祭 が10月29日から30日まで開催されました。去年と同様、今年も当施設の利用者さんが作製した作品を展示させていただきました。今回は、革細工以外に、織物とボンボン手芸、フェルト手芸、イラストを出品しました。当施設の利用者さんの作品が展示場を少しでも賑やかにしてくれたらと思います。

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2016年度長町会館文化祭

去年の長町会館文化祭に引き続き、今年も作品展示のお声が掛かったので、出品させていただきました。

長町会館周辺の町内会から出品されている作品は、書、模型、絵、生け花、ぬいぐるみ、パッチワークなど様々な作品が置かれています。

また、金沢市内の過去の写真などが展示されており、街の様子が随分と変わっていることを知ることができます。

初日は、売店で日用雑貨や生鮮野菜、おはぎなどが販売されていました。

また、2階ではコーヒーやシフォンケーキ、おでんなどが販売されており、おでんと婦人部の味噌を購入させていただきました。

翌日は、売店の内容が変わり、生鮮野菜から焼き鳥や焼きそばに変わりました。

当施設の出品した作品について

去年の出品作品は、そのほとんどが革細工で、織物が一部でした。

今年は、それとは打って変わって、革細工よりもフェルト手芸やボンボン手芸が増えました。

当施設には、統合失調症・うつ病・双極性障害・不安神経障害・自閉症など脳に何かしらの障害のある方や、あるいは診断名の付かない方がもの作りを通じてカウンセリングを受けに訪れます。

当施設に訪れる利用者さんの多くは、最初の課題として革細工を選択されます。

このため、利用して日が浅い人は革細工を行うので、出品する作品も革細工がほとんどになります。

利用者さんの中には、2~3年以上通われて方もおり、状態が良くなってくると革細工以外のことに興味・関心を持ち、挑戦するようになります。

つまり、今回、革細工以外の作品が増えたのは、革細工以外のことに興味を持ち、挑戦するようになったからです。

ただ単に革細工に飽きたから、ということも言えなくはありませんが…。

2016年度長町会館文化祭

作品以外の変化

革細工からボンボン手芸やフェルト手芸へと取り組む課題が変化したこと以外に見られる変化は人それぞれですが、いくつか紹介したいと思います。

まず、課題の変更は、こちらから何か支持をした訳ではなく、利用者さんが自分から自発的に行っています。

次に、ある不安神経障害の疑いのある利用者さんは、今まではバスに乗ったり、買い物をしたりということが一人では出来ませんでした。

しかし、現在は、一人でバスに乗れるようになり、徐々に行動範囲が広がってきています。

そのため、色々な目標を持ち始めています。

また、うつ病の可能性がある利用者さんは、今までは自分の愚痴や不満をあまり言うことがありませんでした。

しかし、最近では、愚痴や不満を言うようになり、その愚痴や不満が何故口に出せないかの理由を話すようになってきました。

例えば、自分の周囲の人に対して愚痴や不満があっても、その人に問題があるのではなく、自分に問題があるのではないかと考えてしまうようです。

その結果、利用者さん同士の関わりの中でも相手の問題を指摘することが出来ず、様々な負担を抱え込んでしまうということが分かってきました。

最近は、利用者さん同士で衝突する可能性があるとしても、愚痴や不満を少しずつ相手に伝えるようになってきました。

これは、お互いが当施設を出た時に人間関係を構築する上でどのようなことが問題になるかを把握する上で重要なことだと思います。

その他の利用者さんに共通することは、例えば、学校に行きたがらなかった利用者さんは、学校に行くようになってきました。

ある利用者さんは、午前中のみ学校に行っていたのが、友達が出来て、午前から午後まで行くようになりました。

学校に通学出来るようになりましたが、当施設に通えるだけの体力はまだありません。

そのため、当施設には通えなくなりましたが、本来の生活に戻れるようになりました。

まだ学生なので、学校に通えるようになることが重要だと思います。

また、自閉症の可能性がある別の利用者さんは、学校に通うことや勉強することなど、あらゆることを面倒くさがり、人の立場や状況を理解せずに我が儘を言うことが多かったです。

しかし、現在は、学校にも毎日通うようになり、勉強にも取り組む様になっています。

そして、当施設の利用者さんとの交流を通じて、相手の立場や状況に理解を示すようになり、我が儘もほとんど言わなくなっています。

最後に

上記のように、選択課題の変化が見られるように、行動にも様々な変化が見られます。

このような変化は当施設に通うことだけが原因ではなく、利用者さんを取り巻く環境との相互作用によるものです。

最初は当施設に通うだけだったのが、徐々に行動範囲が広がり、それに伴って様々な行動変化が現れます。

そして、行動範囲の広がりと行動変化に伴って、当施設以外の居場所を見つけ、いずれは当施設から巣立っていきます。

脳は、環境の変化に合わせて、その環境に適応できるように変化します。

脳に何らかの障害がある場合、新しい環境に身を置くことは物凄いストレスとなりますが、一つのところに留まっていては脳が変化する機会は限られるでしょう。

どんなに些細な環境の変化でも、それはひょっとしたら脳の変化をもたらすかもしれません。

この脳の変化を間接的に見るために、当施設ではもの作りに見られる行動の変化を利用します。

去年と今年の長町会館文化祭での出品を機に新たな課題に挑戦する利用者さんも出てきました。

このような利用者さんの作品を展示する場を提供していただけることは有り難いことだと思います。