眼球運動で統合失調症を判別

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精神病の診断の難しさ

先日、「統合失調症を眼球の動きで判別 阪大、88%以上の精度 」という記事を読みました。

統合失調症の患者さんで眼球運動に異常が見られることは、随分前から言われていたことだと思います。

これを客観的な診断に適用できる新手法が開発されたようです。

精神病は医師の問診などによって様々な症状を総合的して診断されます。

しかし、患者さんが訴える症状をどのように判断するかは、医師の主観によるので、医師によって診断名が異なる場合があります。

特に統合失調症は、複数の症状があるので、診断が非常に難しいです。

 

 

「もの作り」への影響

当施設の代表である関 京子が治療にかかわっていた統合失調症の患者さんの中にも、全ての人ではありません。

しかし、作品を作る工程や完成した作品に眼球運動の異常が関係しているように思われる現象が見られていたそうです。

例えば、革細工では、刻印で模様を打つ際に統合失調症以外の患者さんは一つの模様を完成させてから次の模様へ移ります。

これに対し、統合失調症の患者さんは一つの模様を完成させる前に次から次へと打つ模様を変えていってしまうそうです。

また、北欧織りでは、完成した作品の図柄が統合失調症の患者さんでは見本よりも大きく崩れていたことなどが挙げられます。

ただ、病気の回復と訓練次第で、このような現象は見られなくなっていくそうなので、眼球運動に問題があるとしても、もの作りにはさほど影響がないのかもしれません。

当施設を利用されている統合失調症の利用者さんも革細工の製作を重ねる毎に模様を順番に綺麗に打てるようになっています。

また、革細工の動作計測でも、動きが良くなっているような学習曲線を描けています。

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図.統合失調症の患者さんの作品との比較

上が見本で、下が統合失調症の患者さんが作ったものです。見本に比べて円の大きさや位置が異なります。

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ウェアラブルデバイス

最近では、ウェアラブルデバイスでデータを収集してスマートフォンやPCで健康管理ができるようになりつつあります。

メガネブランドのJINSでは眼の動きを検出できる眼鏡も開発されているそうなので、眼の動きの計測データが手軽に扱えるようになると、色々なことができそうですね。

 

最後に

精神病の診断方法に関する記事を読んでいつも思うのですが、診断方法の開発に参加した患者さんはどの程度の精度で診断されているのか?ということです。

2013年に新たに出版された精神病の診断基準であるDSM-5も色々と騒がれているようなので…。

いずれにしても、精神病が客観的かつ正確に診断される方法が確立されれば、精神病に対する理解が深まるのではないかと思います。

 

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