今、気付いた

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 先日、長いこと精神病に掛かっている利用者さんが、「今、気が付きました。ここにウサギのぬいぐるみがあったんですね。ここに1年近く通って来ているけど、いままで気付かなかった。ゆとりが出来たんですね。」と笑顔で言われました。

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 当施設の待合室の玄関正面には、このうさぎのぬいぐるみよりも大きな水槽が2つあります。照明が当てられて目立つので、利用者さん達に興味を持ってもらえれば良いなと思って、これらの水槽を置いてあります。ところが、意外なことに、この水槽に気付かない人が多いのです。利用者さんの中には、数か月たってからその水槽に気がつく人もいました。この場合、大抵は待合室の内装には目もくれず、真っ先に作業室に入ってこられます。精神病の患者さんは、場に慣れて、心にゆとりが出来て、初めて周囲にあるものに目が向けられるようになります。健康な人ですと、室内を見渡しながら入ってこられるのですが、病気を長く患って状態が悪い人ほど環境に慣れるまでに時間がかかります。それでも、環境に慣れることが出来ないわけではありません。例え、15分でも30分でも、繰り返し通うことが重要になります。病気を治すにはやはり根気が要ります。

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 うさぎのぬいぐるみに気付かれた利用者さんも本当に根気よく通い続け、「もの作り」に積極的になってきたので、物事に対して前向きになってきているように見受けられます。それでも、油断せず、かつ焦らずに、少しずつ変化してもらえたら良いなと思います。

 

 

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